僕は大阪に住んでいる。ある日東京のおじさんから、電話があった。出張で大阪に来ているから、一緒に食事でもしないかとのことだったので、する!と言って、梅田という新宿みたいなところで会うことにした。会うまでに、僕の方で食べたいところ、考えておくようにとのことだった。
支度をしている時に、もう一度着信があった。ギリギリ間に合わなかったので、即座にかけ直そうと思って、スマホを見ると、すでに何回かラインのメッセージが入っていた。
「不在着信1件」
「梅田の阪急百貨店集合でいいですか?」
「何歳ですか?」
急いで電話をかけ直しつつ、最後の「何歳ですか」って何だろう、…ちょっと何言ってるかよくわからないです、などと考えていたら、電話が繋がった。
「すみません、電話間に合わなくて」
「あぁ、だいじょぶだいじょぶ。それでさ、あれ、阪急百貨店の12階でもいいか?」
百貨店の高層階! 僕が、考えてたお店より、高級なものが食べられそうだったから、もちろん、もちろん!と言って、12階で食べられることになった。 「じゃあ、12階で待ってるから。」と、電話が終わりそうになったので、急いで、不在メッセージの質問に答えた。
「あ、あと、僕25歳です!」
「……ちょっと、何言ってるか、よくわからないです」
何でだよ!
電話が終わってから、ラインをよく見たら、「何歳ですか」ではなく「何線ですか」の見間違いでした。
<石原一>